どんぶりちゃわん

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延々はないけれど、永遠はあるんじゃない? Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~ 私感

 叶うことならいつまでも彼女たちを見ていたい。延々と楽しいことをしていたい。でもそれは無理なのだ。いつか人間が死ぬように彼女たちにも終わりは来る。アニメ2期が終わったころから終わりのことを激しく意識してしまう自分がいた。いつ終わるんだろう、どんな風に終わるんだろう、そんなことばかり考えていた。

 3rdライブの時だってそうだった。子供のように泣きじゃくりながらメンバーに自分の気持ちを伝える降幡さんや、念を押すように「Aqoursまだまだ終わりじゃないから」という逢田さんを見て、もうすぐ終わってしまうんだろうか、なんて考えていた。言葉の裏を読み過ぎていた。たぶん僕は他人の気持ちを素直に受け取るということが苦手なのだ。そんな僕でも今回の4thライブでは彼女たちからの気持ちを素直に受け取れたと思う。

 

 もしかして本当に終わらないんじゃないか。

 そう思わせるだけの力が今のAqoursにはあった。Aqoursはまだまだこれからだと本気で思った。ドームを勝手に最高到達点だと決めつけていた愚かな自分はいつの間にか消え去った。彼女たちはまたここに戻ってくると約束してくれたし、それが叶うまで応援し続けていきたい。そしてその夢が叶った時、もう少し大きくなった自分でいれたらなと思う。

 

 Aqoursがステージから姿を消した後どこからか起こったAqoursコール。ステージが無人になっても終了のアナウンスがなかなか入らない状況で、ダブルアンコールが脳裏をよぎらなかったと言えば嘘になる。それでも「Aqours」と自分の口から出た瞬間にはすでに邪念は消え去り、届けばいいな、届いてくれ、と残る体力を振り絞りひたすら大声で叫ぶだけだった。

 何が僕を駆り立てたのだろうか。それはおそらく感謝の気持ち。僕の気持ちは全部とは言わないが、少しくらいは届いていたと思う。だって届いていなければ彼女たちがもう一度飛び出てきてくれるはずがないから。

 作り物を通さない彼女たちの生の声はとても小さかったけれど、確かに僕の耳に、胸に届いた。涙が溢れて止まらなかった。彼女たちも僕と同じようにただの人間なのだ。ただの人間たちがあんな大勢の観客を魅了する輝きになっていた。負けてられるかよ、と僕の心に小さな火がともされた。

 

 前述のようにアニメが、ライブが、ラブライブ!サンシャイン!!というコンテンツが「延々」と続くわけがない。でも僕の心に刻まれた想い出は「永遠」に消えないものにすることができる。彼女たちと一緒に駆け抜けたいと思い、不格好ながらも前に進み続けた日々を、そこで出会った仲間たちとの絆を、誰にも否定させはしない。誰が何と言おうとこれはかけがえのないものであるし、絶対に忘れはしない。

 今後歩む人生の中でこの宝物を呼び起こしたとき、共に湧き出る感情はやはり感謝だろう。彼女たちに感謝をする。仲間たちに感謝をする。あの場を作ってくれた全員に感謝をする。自分を形作ったもの達に感謝をしながら、また僕は前へと進んでいくのだろう。消えないでと呟いた僕らは知っている、あの日見た輝きは決して消えないことを。