夢追翔10万人おめでとう
夢追翔というVtuberをご存知だろうか。
キレのある切り返しと場回しの上手さに定評があるバーチャルシンガーソングライターである。愛称は「ゆめお」。リスナーや同僚であるにじさんじ所属のVtuberから何かとイジられることが多い。袖がない。
また、リスナーから「地獄」と称される全く意味の分からない(古き良き言葉を使うならば「カオス」な)企画への参加や発案を定期的に行っている。何度見ても袖はない。
前述の通り夢追翔はバーチャルシンガーソングライターであり、自ら作詞作曲した曲を歌い動画として投稿している。夢追翔が夢追翔たる所以はこのオリジナル曲にこそある。
彼が歌うのは自身の無力さや世界の冷たさであり、仄暗い感情を秘めた人間の心に強く響く。しかし、彼はそれら全てを理解した上で、なお前へと進む覚悟を歌う。そんな夢追翔の芯の強さは僕の心を掴んで離さない。
世界の空気に抗い夢を追い翔ける覚悟を歌った『死にたくないから生きている』、自分の弱さに向き合いその意義を見出した『弱きに寄り添う』、無力感を包み隠さずに歌いながら自分の歩んできた道筋を肯定する『人より上手に』。
名曲というものの定義はわからないが、僕にとってなくてはならない大切な曲たちである。是非聞いて欲しい*1。
【オリジナル曲】夢追翔 MV 「死にたくないから生きている」【にじさんじSEEDs】
【オリジナル曲】夢追翔 MV「弱きに寄り添う」【にじさんじプロジェクト】
夢追翔は初めての配信で自身を「インターネットのおもちゃにして欲しい」と発言しており、この言葉を裏付けるように、その配信のオープニングで流された映像は当時流行っていたデビルマンMADを自作したものだった。
【#翔onAir】01_夢追翔のファーストライブ【にじさんじSEEDs】
そんな発言をした夢追翔は今日も多方面からイジられている。同僚からはボコボコにされ*2、リスナーからは「また地獄か」「袖を生やすこと以外は何でも出来る男」などと言われたい放題である。
イジられ続けて27年*3、ついに夢追翔はチャンネル登録者10万人を達成した。とてもめでたい。これを祝う記念の配信でBUMP OF CHICKENの『ラフメイカー』を歌った後、いつも通りコメント欄で遊ぶリスナーたちにこのような言葉を投げかける。
歌ってるときコメント見てないんですけど、帰ってきたときにね、「袖メイカー」とかね「ヘルメイカー」とかさんざん言ってくれてますね。ありがとうございます
【#翔onAir】10万人登録者本当にありがとう。好きな歌を歌います。【にじさんじ/夢追翔】
笑いながらそう突っ込む姿は、画面の向こうへ笑顔を運ぶ「ラフメイカー」そのものだった。
【#翔onAir】10万人登録者本当にありがとう。好きな歌を歌います。【にじさんじ/夢追翔】
*1:実はもう1つだけオリジナル曲が公開されている。夢追翔の愛がふんだんに詰まっている。
【オリジナルラップ】夢追翔 MV 「緑仙RAP」(FULL version)【にじさんじ】
*2:最近の例。 エゴサで気づいたんですけど無実です……ハーフの袖無し娘なんて育てていません……今までバーチャル活動楽しかったね……みんなありがとう…… pic.twitter.com/pqMRYaNKwr
*3:「夢を追い続けて27年、バーチャルシンガーソングライターの夢追翔です。」という口上が夢追翔の挨拶である。