どんぶりちゃわん

作品やイベントの雑感等々

爽やかな海風が吹く、わたしの居場所 -ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~ 感想-

 ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021 Day2に参加してきました。2021年、最初で最後のAqoursワンマンライブ。数々のライブをクソみたいな世界に潰されてきた彼女たちが、長い助走期間を経て観客の前で描き出す物語は一体どのようなものだったのか。以下感想です。

 

 僕たちを取り巻く世界は絶えず変わっていく。そんなことは誰もが理解しているであろうことですが、2020年はあまりにも多くのものが大きく変わりすぎた。もちろん良い意味で変わったこともあったでしょうが、2020年を振り返ってまず出てくる言葉は「あんな年はもう二度と来ないで欲しい」です。数々の楽しみが泡となって消えてしまった。

 何も影響を受けたのは僕だけではなく(当たり前)、Aqoursが開催を予定していたつま恋凱旋ライブ、6thライブのドームツアーも中止となりました。悲しいお知らせが流れゆく日々。その後オンライン限定の配信ライブは何度か開催されましたが、有観客ライブは開催されずに時間だけが過ぎていきました。

 Aqours9人として開催した最後のワンマンライブである5thから、今回のDREAMY CONCERTが開催されるまで要した期間は実に2年半。これ1stから5thまでの期間よりも長いってマジ?毎日会ってたようなもんだったのに。それは嘘。

 Aqoursが身近だった日常から想像以上の時が過ぎてしまい、期待と不安が入り交じったまま今までとは違う心持ちで臨んだライブでしたが、変わらない居場所がそこにはありました。自分が見ている今はとてつもない早さで過ぎ去り、沢山のものに影響されて自身も変わっていきますが、確かに変わらないものがそこにはある。そんな温かい手触りが印象的なライブでした。

 また、今回のライブの軸となっていた幕間アニメ『今日のAqours』が非常に良かったです。幕を閉じたアニメにエピソードを差し込んでテーマを作る二次創作的なやり方には新しさと驚きを覚えましたが、愚直に“イマ”だけを積み重ねていく高海千歌の在り方は確実にアニメの文脈を汲んでいました。テレビアニメ1期から劇場版までの物語と今回のライブが地続きだった、という質感にただ幸せを感じます。そして、4th、5thを経てそれまでのアニメの物語から解き放たれた声優ユニットAqoursが、なお文脈の上で踊ってくれることに僕は嬉しさを覚えてしまいます。

 2021年の締めくくりとしてとても良いライブでした。「明日は明日の風が吹く」と言うように寝て起きれば昨日とは違う朝が訪れますが、それでも変わらない居場所がある幸せが僕に一日を終える勇気をくれるのです。