どんぶりちゃわん

作品やイベントの雑感等々

何を乗せて風船は舞う? ─Aqours 5th LoveLive! 私感①─

 その時、世界で一番熱いであろう空間に数個の球体が放り込まれた。彼らの熱でそれはすぐさま割れてしまう。中から色とりどりの風船が飛び出し、まるで熱に浮かされたように舞う。いかにも嬉しそうに宙を舞う風船にはいったい何が詰まっていたのだろう。

 

 

 

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 2期11話、「浦の星女学院」。

 よいつむの用意したバルーンアートには消えゆく運命である学校の名が刻まれていた。共に感謝の言葉をも。

 やがて解き放たれた風船たちは空高く飛んでいき、だんだん見えなくなっていく。

 たとえその存在が目には見えなくなっても、自分の、誰かの胸の中には残っていってほしい。風船はそんな浦の星女学院全校生徒の夢が乗っているように見えた。

 

 

 3rdライブ、「未来の僕らは知ってるよ」。

叶うんじゃないかな…夢!

未来の僕らは知ってるよ

 未来はどうなるかわからないことを知っていながらも希望を歌った直後、何かふわふわとした掴みどころのない、それでいて決して軽くはないものを持ち上げるような仕草。それと共にモニター上で風船が飛ぶ。それぞれ違う色をしたおびただしい数の風船には、彼女ら9人の夢もそうだが、それと共に10人目の夢も詰まっているのだと思う。僕らの夢をAqoursは引っ張り上げてくれている。強く、そう感じた。

 続いて彼女たちは無謀な挑戦をさも当たり前のように歌う。

未来をどうしようかな!?

未来の僕らは知ってるよ

 

 

 劇場版、「Next SPARKLING!!」。

 色鮮やかな風船で飾られた沼津駅南口特設ステージ。そこにいるのは6人。しかし、胸に手を当てればもう3人の声がする。

 前半部分、シーンが変わるたびに画面を塗りたくるようにして風船が飛ぶ。そこに詰まっているものは、やはり夢であるように思う。これまで胸にしまわれていたものが心に刻まれた思い出と取って代わるようにして放出される。

 自身に問いかければいつだって仲間たちに会うことができる。その消えない物語を動力にして、彼女たちは空高く舞い上がるあの風船を追いかけるのだろう。いつまでも、次の輝きを目指して。

 

 

 

 

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 そしてあの日、ついに僕らの世界で風船は飛ばされた。あの瞬間はじけだしたのは10人目の夢だったように思う。

 僕らの願いを胸に押し込める厚かったはずの膜はその実、いとも簡単に突き破れるほど薄っぺらかったようだ。

 胸から飛び出した僕らの夢はどこへ向かっていくのだろう。

 どうも夢というものは一度飛び出したら止まることを知らないらしい。胸の扉を突き破り、血に染み出したそれからは未だ確かな熱を感じる。

 そして、何やら物知り顔で笑う彼女たちはこう歌う。

君の夢を教えてよ

Jump up HIGH!!

 あの時の熱に乗せられた僕らの夢は、高く、高く、舞い上がっていくはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 どうも、サケ茶です。5thライブお疲れさまでした、そしてありがとうございました。色々話したいポイントがあるので、小出しにしてちょくちょく書いていきたいなと思います。

 まずは風船の話。いかがだったでしょうか。サケ茶は風船めちゃすこ侍なので5thの演出は本当に嬉しかったです。

 5th私感シリーズは今のところ③まで行く予定なので、どうぞ次回もご贔屓に。あとなかなか次が上がらないときは発破かけてね。では今回はこのへんで。